(管轄権に関する合意)
第三條の七 當事者は、合意により、いずれの國の裁判所に訴えを提起することができるかについて定めることができる。
2 前項の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。
3 第一項の合意がその內容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。
4 外國の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意は、その裁判所が法律上又は事実上裁判権を行うことができないときは、これを援用することができない。
5 將來において生ずる消費者契約に関する紛爭を対象とする第一項の合意は、次に掲げる場合に限り、その効力を有する。
一 消費者契約の締結の時において消費者が住所を有していた國の裁判所に訴えを提起することができる旨の合意(その國の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意については、次號に掲げる場合を除き、その國以外の國の裁判所にも訴えを提起することを妨げない旨の合意とみなす。)であるとき。
二 消費者が當該合意に基づき合意された國の裁判所に訴えを提起したとき、又は事業者が
日本若しくは外國の裁判所に訴えを提起した場合において、消費者が當該合意を援用したとき。6 將來において生ずる個別労働関係民事紛爭を対象とする第一項の合意は、次に掲げる場合に限り、その効力を有する。
一 労働契約の終了の時にされた合意であって、その時における労務の提供の地がある國の裁判所に訴えを提起することができる旨を定めたもの(その國の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意については、次號に掲げる場合を除き、その國以外の國の裁判所にも訴えを提起することを妨げない旨の合意とみなす。)であるとき。
二 労働者が當該合意に基づき合意された國の裁判所に訴えを提起したとき、又は事業主が日本若しくは外國の裁判所に訴えを提起した場合において、労働者が當該合意を援用したとき。