作者:波利西亚机枪弹链
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来源:知乎
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今朔の尊书昨十三日下着具に拝见、多幸々々。
一、当国の仪其元に于て种々雑説申すに付、内府様御不审の由、尤も余仪なき仪に候、
并して京・伏见の间に于てさへ、色々の沙汰止む时なく候、况んや远国の景胜弱辈と
云ひ、似合いたる雑説と存じ候、苦しからざる仪に候、尊虑易かるべく候、定て连々
闻召さるべく候事。
一、景胜上洛延引に付何かと申回り候由不审に候、去々年国替程なく上洛、去年九月
下国、当年正月时分上洛申され候ては、何の间に仕置等申付らるべく候、就中
当国は雪国にて十月より三月迄は何事も罢成らず候间、当国の案内者に御寻ね
あるべく候、然らば何者が景胜逆心具に存じ候て申成し候と推量せしめ候事。
一、景胜别心无きに于ては誓词を以てなりとも申さるべき由、去年以来数通の起请文反古
になり候由、重て入らざる事。
一、太阁以来景胜律仪の仁と思召し候由、今以て别仪あるべからず候、世上の朝変暮化
には相违候事。
一、景胜心中毛头别心これなく候へども、谗人の申成し御纠明なく、逆心と思召す处是非
に及ばず候、兼て又御等闲なき様に候はば、谗者御引合せ是非御寻ね然るべく候、
左様これなく候内府様御表里と存ずべく候事。
一、北国肥前殿の仪思召のままに仰付られ候、御威光浅からざる事。
一、増右・大刑少御出头の由委细承り及び候、珍重に候、自然用所の仪候へば申越す
べく候、榊式太は景胜表向の取次にて候、然らば景胜逆心历然に候へば、一往
御意见に及んでこそ侍の筋目、内府様御为にも罢成るべく候处に、左様の分别こそ
存届けず候へども、谗人の堀监物奏者を仕られ、种々の才覚を以て妨げ申さるべき
事にはこれなく候(や)、忠信か、佞心か、御分别次第重て赖入るべく候事。
一、第一雑説ゆえ上洛延引候御断り、右に申宣べる如に候事。
一、第二武具集候こと、上方の武士は今焼・炭取・瓢べ以下人たらし道具御所持候、
田舎武士は鉄炮弓箭の道具支度申し候、其国々の风俗と思召し御不审あるまじく候、
不似合の道具を用意申され候へば、景胜不届の分际何程の事これあるべく候や、
天下に不似合の御沙汰と存じ候事。
一、第三道作り、船桥申付られ、往还の烦なきようにと存ぜらるるは、国を持たるる役に
候条此の如くに候、越国に于ても舟桥道作り候、然らば端々残ってこれあるべく候、
渊底堀监物存ずべく候、当国へ罢り移られての仕置にこれなきことに候、本国と云ひ、
久太郎踏みつぶし候に何の手间入るべく候や、道作までにも行立たず候、景胜领分
会津の仪は申すに及ばず、上野・下野・岩城・相马・正宗领・最上・由利・仙北に
相境へ、何れも道作同前に候、自余の衆は何とも申されず候、堀监物ばかり道作に
畏れ候て、色々申鸣らし候、よくよく弓箭を知らざる无分别者と思召さるべく候、縦とへ
他国へ罢出で候とも、一方にて(こそ)景胜相当の出势罢成るべく候へ、中々是非に
及ばざるうつけ者と存じ候、景胜领分道作申付くる体たらく、江戸より切々御使者
白河口の体御见分为すべく候、その外奥筋へも御使者上下致し候条、御寻ね尤もに
候、御不审候はば御使者下され、所々境目を御见させ(候はば)、合点参るべく候事。
一、景胜事当年三月谦信追善に相当り候间、左様の隙を明け、夏中御见舞の为上洛
仕らるべく内存に候、武具以下国の覚、仕置の为に候间、在国中きっと相调い
候様にと用意申され候处、増右・大刑少より御使者申分され(候)は、景胜逆心
不穏便に候间、别心なきに于ては上洛尤もの由、内府様御内证の由、迚も内府様
御等间なく候はば、谗人申分有らまし仰せ越され、きっと御纠明候てこそ御恳切の
験したるべき处に、意趣逆心なしと申唱へ候间、别心なきに于ては上洛候へなどと、
乳呑子の会釈、是非に及ばず候、昨日まで逆心企てる者も、其行はずれ候へば、
知らぬ顔にて上洛仕り、或は縁辺、或は新知行など取り、不足を顾みざる人と交り
仕り候当世风は、景胜身上には不相応に候、心中别心なく候へども、逆心天下にその
隠れなく候、妄りに上洛、累代弓箭の覚まで失い候条、谗人引合御纠明これなくんば、
上洛罢成るまじく候、右の趣景胜理か否か、尊虑过すべからず候、就中景胜家中
藤田能登守と申す者、七月半ばに当国を引切り、江戸へ罢移り、それより上洛候、
万事は知れ申すべく候、景胜罢违い候か、内府様御表里か、世上御沙汰次第に候事。
一、千言万句も入らず候、景胜毛头别心これなく候、上洛の仪は罢成らざる様に御仕挂け
候条、是非に及ばず候、内府様御分别次第上洛申さるべく候、たとえこのまま在国
申され候とも、太阁様御置目に相背き、数通の起请文反故になり、御幼少の秀赖様へ
首尾なく仕られ(なば)、此方より手出し候て天下の主になられ候ても、悪人の名
逃れず候条、末代の耻辱と为すべく候、此处の远虑なく此事を仕られ候や、御心
易かるべく候、但し谗人の仪を思召し、不义の御扱に于ては是非に及ばず候间、
誓言も坚约も入るまじき事。
一、爰许に于て景胜逆心と申唱え候间、磷国に于て、会津動とて触れ回り、或は人数、
或は兵粮を支度候へども、无分别者の仕事に候条、闻くも入らず候事。
一、内府様へ使者を以てなりとも申宣ぶべく候へども、磷国より谗人打ち诘め种々
申成し、家中よりも藤田能登守引切候条、表里第一の御沙汰あるべく候事、右条々
御纠明なくんば申上られまじき由に存じ候、全く疏意なく通じ、折ふし御取成し、我らに
于て畏入るべきこと。
一、何事も远国ながら校量仕り候有様も、嘘のように罢成り候、申すまでもなく候へども、
御目にかけられ候上申入れ候、天下に于て黒白御存知の仪に候间、仰越され候へば
実仪と存ずべく候、御心安きまま、むさと书き进じ候、虑外少なからず候へども、愚虑
申述べ候、尊虑を得べきためその惮りを顾みず候由、侍者奏达、恐惶谨言。
庆长五年 四月十四日
直江山城守兼続
豊光寺
侍者御中